しんじゅ

 

雨降りしきる中 傘もささずに 僕は歩いていた

道ゆく人々に どうしたのと聞かれても

僕は答えるすべは 知らなかった

 

石畳の階段を ゆっくりと登っていた

その先には なにが有るのかも知らずに

 

胸ポケットから 最後の煙草を取り出した

雨に濡れて 吸えなかった

ブルーハートという店のマッチも 濡れていた

 

頂上には古びた お寺があった

でも もう ずぶ濡れだ

 

君のほしい物は すべてあげたつもりだ

僕はもう君にあげる物は命しかない

 

僕はためらわないだろう

でも もう 君はいない

 

僕はただ死に場所を 探して さ迷っているだけなのか

君の後を 追いかける 勇気がない

死に場所を さがしてさ迷っていよう